【理念経営2.0:徳を磨く(その2)近江商人と三方よし】

 「三方よし」の精神のベースには、少しでも儲けたいといった自分本位の欲望は最小限に抑え、一方、顧客や世間の人々の利益や豊かさ、幸福を強く願うという「利他の精神」があります。この「利他の精神」は、「徳」(「徳を磨く」その1:7月31日公開ブログ)と強い親和性があります。

 「三方よし」の精神は、もともとは江戸時代を中心に商人として活躍した「近江商人」にルーツがあると言われています。このことを近江商人に可能ならしめた最大の要因は、以下の点にあると言われています。

 多くの近江商人を生み出した湖東地方(琵琶湖東岸に広がる地域)では、仏教(特に浄土真宗)が盛んであり、その浄土思想が影響していると分析されています。真宗では、浄土思想を信ずることで、「極楽往生できることへの報恩行として、家業に精進する」ということが説かれているようです。

 近江商人としての成功者(リーダー)は、こういった背景の中で、努力精進し、「徳」を磨いていった、と言えるでしょう。

「近江商人」についてさらに詳しくは、『近江商人学入門』末永國紀(サンライズ出版)が参考になるかと思います。


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