【理念経営2.0:;着実に利益を出すための活動(その3):トータルリードタイム短縮活動】

 「もの造り」のための「生産ライン」では、ライン先頭からいくつかの「工程」(プロセス)を経て、製品として完成します。「各工程で1つ加工するのに要する時間」を「タクトタイム」と言います。
 
「リードタイム」とは、ある工程で、ものの加工が始まり、次工程に引き取られるまでの時間のことです。通常のラインでは、加工後に仕掛品(半製品)在庫として何個かの在庫が滞留します。たとえば、タクトタイムを1分とします。加工後(次工程までに)に在庫が12個あるとします。在庫としての滞留時間は12分となります。この工程の「リードタイム」は、「加工時間:1分」+「滞留時間:12分」、つまり13分となります。

 生産ラインが10工程で構成されているとします。生産ライン全体のリードタイム(先頭から最終工程で製品として完成されるまでの時間)は、各行程の「加工時間+在庫滞留時間」を総計(10工程分)することで得られます。それを「トータルリードタイム」と言います。この加工時間には、設備故障による停止時間も加算されます。

 つまり「トータルリードタイム短縮活動」の目的・効果は、ライン内にある在庫の削減(キャッシュフロー増加)、設備故障の低減。また所定の時間内に生産される個数が増加するので、生産性が向上します。(その分製造コストが低減) さらには、競合メーカーより速く顧客に納入できるので、競争優位性を高めることができます。

 「トータルリードタイム短縮の考え方」は、企画、製品開発・設計業務、営業活動、管理業務など、組織のあらゆる業務に活用できます。その効果は絶大であると思います。


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