30)経営理念の浸透が難しいわけ(その2:承継者の徳の問題)
みなさん、こんにちは!
今日は、先回に引きつづき、「経営理念の浸透が難しいわけ(その2:承継者の徳の問題)」について、ご説明したいと思います。
「理念経営の本質‐その4:徳ある人材の登用」にて、徳あるリーダーの育成、昇格しトップになるしくみ、また、徳あるリーダーを継承するしくみなどが整備されていることの大切さについてご説明しました。
いくら現在の経営トップが徳分があり人格が優れていても、後継者が、直近の利益にしか関心がなく、徳分とは縁遠いような人がトップになる場合があり得るからです。経営理念(企業経営の原点として大切な価値観)がトップから次のトップに伝わるはずがありません。
とくに、中小、零細の企業でよくみられる同族経営企業の場合は、身内から昇格される場合がほとんどではないでしょうか。一見仲がよく、問題がないように見える場合もありますが、実は落とし穴があります。
例えば、次期トップ候補に対して、世話焼きであり指導役として役員などに任す場合があります。この役員が、必ずしもトップの価値観を共有できているか誰にもわかりません。そこで、当然ながら、次期トップにトップの価値観が伝わる保証はないでしょう。むしろ、悪口を言う場合もあります。
また、次期トップは、社長のそばにいる機会が多いので、私の経験した範囲ですが、トップの人格上の欠点が見えやすい傾向にあります。したがって、そういった場合も、価値観の共有は困難となるでしょう。
また、世代も異なりますので、そういった面で益々、現在のトップの価値観が、しっかり伝承されることは困難になるでしょう。
やはりまずは、現在の経営トップの人格や徳分が求められます。同時に上述したような、しくみや制度が確立されていることで、必要十分条件が整うこととなります。
しかし、中小企業や特に零細企業では、上述のしくみや制度がしっかり確立しているケースは、私はみたことがありません。したがって、やはり、徳ある経営トップが必須条件となるといえるでしょう。
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