29)経営理念の浸透が難しいわけ(その1:経営トップのブレ)

 みなさん、こんにちは!

先回は、企業理念と経営理念のちがいについて、弊社としての考え方をご説明しました。今日は、狭義の「経営理念」、「基本理念」と呼ぶ場合もありますが、その定義を明確にして、それを組織に浸透していくための、基本的な考え方や具体的な方法について、皆さんと検討してみたいと考えています。

経営学(マネジメント)の泰斗でもあるドラッカー先生は、経営理念とは、「経営者の想い」、であり「経営哲学」でもあるといっていると思います。「経営哲学」はさらに考えると、「企業経営の原点となる、基本的で最重要な価値観」であるともいえます。「心の底から、最も大切にしたいと思えること」、ともいえるでしょう。

ここで、よく言われる、浸透が難しいわけの1つ目(私は最重要と考えています。とくに中小・零細企業の場合です。)として、「経営トップは、熱く語らない、自ら守ろうとしない(ブレルということでしょうか)」があります。

これは、組織として致命傷です。なぜなら、経営幹部や全社員が経営トップの一部始終を、実に的確に観ている(見えない部分、思想や人格など)からです。肝心の側近は、トップに近いがため、忖度してか、必ずしも正直に進言することは少ないでしょう。

したがって、経営トップがブレルと、結果としては、「裸の王様」になってしまうでしょう。いくら経営理念を語ろうとしても、ブレルているのでは、当然心から熱く語ることはできないでしょうし、みずから守ろうとしない、うっかりもあるかもしれませんが、社員は一回でも例外があると、一貫性がないということで、トップが語ることに対し、全幅の信頼は不可能となります。

こういう状態になりますと、社長と想い(価値観)を共感し、共有化することはまず困難でしょう。

朝礼などで、社長やリーダーなどが、経営理念を語ったり、唱和することはよくあることですが、形だけの場合が多いと思います。私が過去に経験した会社では、数少ない例外はありましたが、多くの場合は、社長の言行不一致、つまり想いブレルことが普通でした。これでは、当然、経営理念は浸透しませんし、カルチャー形成どころではありませんね。

次回は、経営者が次の世代に代わるゆえの困難さについて考えてみたいと思います。その後、浸透させるための方法について考えていきたいと思っています(予定は未定ではありますが)。

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