49)経営の「知的思考能力」が問われる時代

 みなさん、こんにちは!
経営者の役割や必要な能力など種々のべてきました。今回は、「決断力」を軸とした、「知的思考能力」ということでまとめてみたいと思います。くわしくは、(『経営の知的思考』伊丹敬之著)をご一読されることをお勧めいたします。

経営の世界には、現場のリーダーによる「小さな決断」から、経営者による「大きな決断」まで、さまざまな決断があります。

結論として最初にいえることは、「決断に至るまでの基本構造」は、「直観発想し、論理でその発想(構想やアイデア)を検証し、そして検証した後に、最後は哲学(独自の肝となる考え方や持論)で跳躍(ジャンプして溝や谷を越える)する」ということです。

したがって、「直観力」が鈍ければ、独創性があり画期的な「発想」は生まれず、「論理力」が低ければ発想の良し悪しの「検証」はうまくいかず、「哲学」があいまいで、肝が据わっていないようでは、最後の「跳躍」(決断後の責任をとるという「覚悟」の有無が絶対的必要条件)はできないことになります。

ここで、企業の最高責任者として、「大きな決断」ができることは、企業としての持続的成長・発展にとって最重要事項です。「問題の先送り」などし続けているようでは、企業の死活問題にもなりかねません。

経営者としては、良い「決断」をするためには、「直観力」、「論理」、「哲学」がセットになっていることを、しっかり認識し、腹に落とし、これらの力を日々の実践の中で磨き続けなくてはならないと思います。なかでも、「直観力」や「論理力」は、参謀などでの代替が多少効くかもしれませんが、大きな「決断」には、大きな、重い責任が伴います。最高責任者である社長しかできないものであり、とくに重要と考えます。

決断を支えるものとして、「論理力」によりしっかり「検証」できることもありますが、最後の決断を可能にするものが「哲学」のようです。

ここで改めて確認しておきたいと思いますが、ここでいう「哲学」とは、「哲学全集」とかいった、学問的、教科書的なものではありません。

「世の中の人間や、社会、政治、技術などはどう動いていくのか(道理)」について、自分が納得し確信できる、肝となるような独自の考え方であるといえるでしょうか。「道理に対する思い入れ」、でもあります。よくいわれる「持論」といってもいいのではないかと私は考えています。

以上ご説明した、決断力を軸とする「知的思考能力」を大切にし、日々こつこつ努力し、鍛え上げ、磨き続けていきたいものです。

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