50)コーヒーブレイク:世界中で進むアフターデジタル化で、メーカーの危機到来か!?
みなさん、こんにちは!
最近のビジネス界では、「アフターデジタル」という言葉が、あちこちで聞かれるようになりました。
「アフターデジタル」とは、一般の消費者や組織ではたらく人にとって、オンラインとオフライン(ITネットワークとつながっていない)をいちいち区別しない、融合したものと捉える「思考方法」といわれています。それくらい、ITネットワーク化が進み、オフラインはやがてなくなるのではないかとさえいわれています。(私自身は、個人間のフェースツーフェースの接点は、それなりの価値があるので完全になくなることはないと考えています)
ユーザーにとって、オンラインやオフラインを敢えて区別せず、生活の身近で、最も使いやすく、便利なものを選択するということが一般的になるのではないでしょうか。
アフターコロナ禍という急激な社会変化により、企業経営は、人を集めないことを前提とした業務、サービス、販売、開発などへの変化対応を迫られています。例えば、最近の日本政府は、コロナ禍で弱点として露呈された、組織やしくみの目に余る非効率さに対する、早急な対策を進めようとしています。目的が全てOKとは思えませんが。DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みの重要性がさらに増しているように見えます。
ここからは、モノづくり業界に目を移します。今日の中心的論点です。こういったアフターデジタル化、DX化への加速は、あらゆるビジネス界や産業界でも大きなトレンドの中にあるといえるでしょう。
そこでは、今後の新しい産業構造でのサバイバル方法(生き残り方)はどうなるか、を考えぬかなくてはなりません。
すでに、アフターデジタル型の産業構造の姿として、世界中で、いろいろな事例が散見され、日本でも少しづつではありますが、現れてきているようです。
状況を整理すると、メーカーが君臨する「製品販売型」(ものを顧客に売っておしまい。いわゆる「売り切りモデル」)が、今までのモノづくり業界の中心的な存在でした。しかし、アフターデジタル化が急速に進むと、「行動データ」(顧客接点から得られる、顧客が実際何を買い、その後どうした等のデータ)を保有し顧客の「状況」を理解できているプレーヤーが、どうしても強くなるようです。「(顧客)体験提供型」の産業構造になるといったことが言われています。これが可能になるのも、DX化やITテクノロジーの進化が背景にあるわけです。
これからは、「製品販売はあくまで顧客との接点の1つ」と考え、他の接点である、アプリ、店舗、イベント、コールセンターなどと等しく扱われるようになるといわれています。
これまではメーカー主導の産業構造だったといえます。今後は、顧客の行動データに基づき、顧客接点に寄り添い、価値(バリュー)を提供し続ける「バーリュージャーニー型」(ジャーニーとは旅のことです)に変化するといわれています。少し前に、「カスタマ-サクセス」といわれたものがありましたが、基本的には、考え方は同じと、私は考えています。
そういった状況から、今後の産業構造は、「ピラミッド型三層構造」(ヒエラルキー)になるのではないかと、いわれています。
最上層には、決済を行う「プラットフォーマー」(ペイパル(米国)、アリペイ(中国)などがあります)が君臨しています。ペイメント(支払い)を抑えることで、ユーザーの好みや支払い能力に関する価値の高いデータなど取得できるので、最も顧客理解の解像度が高くなる傾向にあります。
第二層には、「サービサー」(サービスを事業とする。移動、飲食、旅行、動画、音楽など)が位置します。圧倒的な顧客体験(UX)により、その業界の詳細な行動データを抱えることができます。
一番下に位置する「メーカー」は、上の2つの層からのデーターがなければ正しくモノを売ることができません。「サービサー」にユーザーの関心や接点が集まっているため、サービサーのための部品(カーシェアサービスのための車や、デリバリーのためのバイクや自転車など)を作る下請になる可能性さえあります。メーカーにとっては、ゆゆしき問題になりかねません。
最後の結論としてまとめるならば、メーカーはモノを売る「製品販売型」から「体験提供型」に変化するための行動を、今から少しづつ実行していくことが求められていると、私は感じています。
弊社としても、ITテクノロジーを持つ仲間とともに、中小企業のサービス化のお手伝いをさせていただくビジョンを検討する緒についたところです。みなさん、この時代の波を乗り越えるべく、皆で頑張ってまいりましょう! 日本のモノづくり産業の復活から大発展へと!
日本には、まだまだ多くのチャンスがあると、いわれています。
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