【理念経営2.0:「失われた30年」の本質(その7)コンプライアンス(法令遵守)】

  『3つの過剰』(10月20日付ブログ)の❸:コンプライアンス(法令順守)についてです。

  「コンプライアンス」とは、企業などが法令や規則をよく守ること、つまり「法令遵守」のことです。法令遵守を強化するための具体的な仕組みとして、2006年、「内部統制制度」(日本版SOX法と呼ばれます)が日本企業に導入されました。

 詳しい説明は専門書に譲りたいと思いますが、この制度には、企業にとっては種々の問題点があると指摘されてきました。たとえば、『経営の精神』加護野忠夫(生産性出版)では、以下の4点が述べられています。

❶制度そのものの導入に大きなコストがかかる。(膨大な作業が必要になる)      ❷日本の場合、このような制度は不要。(もっと効果のある仕組みが日本の会社にはある)❸企業の内部に官僚主義を蔓延(まんえん)させる。(全ての業務執行やコミュニケーションを文書で行う)                                         ❹日本企業の独自の強みが失われてしまう。(トップダウンのしくみにより、組織での自発的で柔軟な活動が失われる)

 このような警告があったにも関わらず、その後企業の活力は徐々に衰退し、「失われた30年」の主要な原因の1つとなっています。何とかしたいものです。


<TOPページへ>




 


 

コメント

このブログの人気の投稿

【理念経営2.0:レジリエンス④】

18)パープルオーシャン戦略

【理念経営2.0:全員一丸経営】