57)経営理念について(その7:経営指針➁;経営マインド)

みなさん、こんにちは!
きょうは、経営指針の3点セットの1つ目、「経営マインド」について、皆さんと学んでみたいと思います。

経営マインドとは、日々、経営に取り組む際の、基本的な「姿勢、習慣、態度」のエキスを綜合するものです。(ビジョナリーカンパニー➃を参考とし、筆者が加筆再構築)

以下、「経営マインド」を、その「中心の柱」(経営マインドの核)と、「中心の柱」をベースとする「3つのマインド」に分け、それぞれ順にご説明していきます。

まず、「中心の柱」です。
「中心の柱」は、「経営理念」がベースになっています。
「経営理念」の「基本理念」、「あるべき理想の姿」、「ミッション」の3つに対応して、「謙虚さ」、「高い志」、「使命感/情熱」の3つを、柱の必須の要素(基本マインド)としています。

   ◆「中心の柱」の構成 ❶「基本理念」→「謙虚さ」が対応
              ❷「会うべき理想の姿」→「高い志」が対応
              ❸「ミッション」→「使命感/情熱」が対応

「基本理念」(重視する価値観)としては、「謙虚さ」を最重視しました。
「理念経営」としては「徳あるリーダー」を目指したいものです。
 「磨くべき5つの徳目」(礼、知、信、義、勇)がありますが(→コラム39)、組織の最上層に立ち、リーダーシップを発揮するためには、「礼」(礼節)、つまり「謙虚さ」が必須であり、きわめて重要であると、私は考えております。組織におけるリーダーシップ論でも、大変重視されているものです。
 また、「ミッション」については、「情熱」も加わります。使命感が強くなると情熱が沸き上がってきて、さらなるエネルギー源になるからです。そういった意味で、使命感に情熱が加わることは必須といえるでしょう。
因みに、リーダーシップの要件をランク付けをすると、私の記憶では、最上位は「情熱と謙虚さ」であるといわれています。

次は「3つのマインド」です。
「中心の柱」を、ベースとする、3つの実践的・行動的なマインドがあります。
「建設的危機感」、「実証的創造」、「徹底した規律」の3つです。

   ◆3つのマインド ❶建設的危機感
            ❷実証的創造
            ❸徹底した規律

「建設的危機感」とは、不安感や危機感に対し、落ち着いて状況判断し、反省し、的を得た対応策を打ち出すことで、周到に準備することです。要はリスクマネジメントです。
 たとえば、トヨタ自動車では、従業員がとくに危機感をいだいていない、平常時のようなときにでも、経営陣は、危機感をメッセージとして、発信しつづけることがよくあるようです。そして、全員が一丸となって、緊張感をもって、仕事に取り組むことが可能となります。

 事業に関連することがらに、たえず危機感をもち、強く関心を持ち続けることで、独自のアイデアを発想することができるようになり、的確な対応策を打ち出すことが可能になると思われます。

マインドの2番目、「実証的創造」です。
 アイデアを「発想」することは、創造的活動の出発点です。そのアイデアが、論理的に、あるいは実験的データによって検証されることが、確実な成果を得るためには不可欠となります。こういった活動が当たり前にできるようになるためには、この「実証的創造」のマインドが極めて大切であるといえるでしょう。

3番目のマインド、「徹底した規律」です。
 「建設的な危機感」をもちつつも、常に状況を冷静に判断し、「実証的創造」により、的確な対応策を打ちつづけ、事業として長期的に着実に発展繁栄していくためには、やはり、「中心の柱」のマインド「謙虚さ、高い志、使命感」を維持・強化し、そのベースにある「経営理念」を徹底的に守り、行動がブレないようにする覚悟が、この「徹底した規律」といえるでしょう。

ご説明は以上です。私自身、この「経営マインド」は極めて普遍性のあるものと考えております。「経営理念」はもちろん必須です。しかし、この「経営マインド」は、「理念経営」に携わる経営層にとってやはり必須となるものと思います。御社にも是非、お勧めです!

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