55)経営理念について(その5:ミッション)
みなさん、こんにちは
今日は、「ミッション」(使命)についてです。
「経営理念」は「存在意義」(北極星)と「経営行動の規範」の2つより構成されます。
後者は、「経営の目的」(事業の方向付け)と「経営目的を達成するための方法」の2つより構成され、私はそれを「ミッション」(使命)と位置付けています
「ミッション」とは、分かり易く言えば、まずは、「お客様に、商品やサービスを通して、顧客にとっての価値を提供することで、顧客に喜んでいただく(顧客の創造)」ことです。さらに、その目的を達成するためには、「顧客のニーズを把握し(マーケティング)、顧客にとって価値のあるものやサービスを創出(イノベーション)すること」です。
「我が社のミッションとは何か」、という問いに、具体的に応えるのは、基本的にはそう簡単なことではないと思います。上述のように定義をすること自体は簡単ですが。
私の尊敬するメンターのご説明によりますと、以下のようです(一部、筆者加筆修正)。
「我が社は、何のために存在するのか。なぜこの社会が、国が、世界が、我が社を必要とするのか」という問いに対する答えを求め続けることです。「存在理念」が徐々に形になってくるのですが、必ずしも、明確になり確定することはないでしょう。
なぜなら、会社自体も変化しますし、とりまく環境も変化し続けるからです。
いずれにせよ、そうして、常に、「存在理念」を探求し続けるような経営者には、「ミッション(使命感)」が生まれてくるようです。
よく考えてみれば、これは当然のことかもしれません。
「組織の目的」が「存在意義」です。
「ミッション」とは、「経営の目的」と「その目的を達成する方法」のこと、つまり、「最重要の経営行動」と言えるでしょう。
「存在意義」と「最重要の経営行動」とでは、「基本的な考え方・理念」と「現実の経営行動」の違いはあるものの、方向性(ベクトル)は全く同じであると思われるからです。
「ミッションを生み出すための考え方のプロセス」として、私の拙い体験をベースに、私流にまとめますと、以下のようになるかと思われます。
「組織の理想的なあるべき姿(存在理念/北極星)」を常に念頭に置き、ありありと描き続けます。
同時に並行して、実際の経営行動としては、「どのようなお客様に対し、どのような価値を提供することで、喜んでいただくのか。その価値の創出のためには、どのようなアイデアを捻出していくのか」ということを、ひたすら考え続けます。
そして発想し、検証し続けて、少しづつ形にしていくしかないのではないか、と考えています。
最後にもう1点、補足させていただきたいことがあります。
経営理念の3点セットとして、「基本理念(基本的で最重要な価値観)」、「あるべき理想の姿」、「ミッション」の3つを上げました。(→コラム51)
「基本理念」は、「あるべき理想の姿」を考える際のベースとなるものです。なぜなら、「基本理念」は「企業経営の原点となる、基本的で最重要な価値観」だからです。
同様に、「ミッション」を考える際にもベースになります。
たとえば、顧客への「提供価値」を考える場合、この「基本理念」を配慮することは必須であり、外して考えることは不適切でしょう。
あらためて、「基本理念」がいかに大切であるか、忘れないようにしたいと思います。
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