76)経営戦略について(その5:正攻法と奇策)
みなさん、こんにちは! 戦略成功の必要条件として、「戦略目的」が、組織や環境の諸要素に「適合」することが大 切である」と述べました。 実は、この「適合の仕方」についてですが、3つのタイプがあると、私は考えています。 まずは、1つ目です。「正攻法と奇策」ということです。 ここで、戦略のバイブル、『孫子』より、有名な一節を引用します。 「 凡(およ)そ、戦いは、 正を以て合い、奇を以て勝つ 」 「およそ戦闘というものは、定石どおりの 正攻法 で、不敗の地に立って、敵と会戦し、状況 の変化に適応した 奇策 で打ち勝つのである」(『新訂 孫子』(金谷治訳註)より) 「 正攻法 」は、「正面作戦」のことでもあります。対象に積極的に働きかけることです。 「能動的適合」と言ってもいいでしょう。 「 顧客 への適合」で言えば、以下のような内容になります。 「顧客のニーズを読み、ときには新しいニーズを掘り起こすような積極的対応をしたり、ニ ーズの変化にも能動的に対応する。」 一方、「奇策」です。「ひとの思いつかない、差別化した手を打つこと」です。「レバレッ ジ(「てこ」の作用)の効く策」と言ってもいいでしょう。 同じく、「 顧客 への適合」で言えば、以下のような内容になります。 「顧客のニーズというものの本質をうまくついて、できれば利用させてもらって(味方にな ってもらう等)、顧客を「てこ」として、企業全体の望ましいシナリオを描いていく」 「経営課題」を解決するための戦略策定では、つねに、「正攻法」と「奇策」を組み合わせ ることで、戦略成功の確率もずっと高まることでしょう。 <TOPページへ> https://rickrinen.blogspot.com/