【理念経営2.0:倒産回避のためにはー(その1)無収入寿命】

 「無収入寿命」という考え方があります。現在手元にある純粋な「現金預金」「月額固定費」で除した数字(○○ケ月)のことです。 ここで純粋な「現金預金」とは、返済するものがない純粋な手元資金のことです。また、「月額固定費」とは、売り上げが「ゼロ」でも必ず発生する経費、「家賃」「人件費」「光熱費」などのことです。つまり「無収入寿命」とは、コロナなどで「売り上げ」が仮に「ゼロ」になったとしても(=無収入)、従業員をリストラすることなく、会社をそのまま存続させることができる期間(寿命であり余命)を意味します。 ちなみに、「倒産」とは、「手元の現金預金」がゼロになり、一切の支払いができない状態のことです。

 基本的には、「無収入寿命」が1年あれば、その期間に会社のあらゆるムダをなくし、改善する(=経営改善)ことで、倒産を回避することは可能である、ということです。なので、常日頃から会社の資金繰り状況などをしっかりウオッチし、「衰退の予兆」(私は「衰退要因」と呼んでいます)を決して見逃すことなく、少しでも早く改善することが必須です。これは松下幸之助翁の言う「ダム経営」にも通じる考え方です。

 ちなみに最近お受けしたクライアント様では、この「無収入寿命」を計算したところ、たまたま約1年となりました。ラッキーでした。そこでまずは1年をめどに、経常利益がプラスになることを必達目標とし、「売掛金回収」「不良在庫処分」などのあらゆる改善により倒産を回避するプロジェクトをスタートしました。経営トップには不退転の覚悟をしていただき私も伴走しながら、全員一丸となって頑張っています。

 

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