77)経営戦略について(その6:ストレッチ戦略)
みなさん、こんにちは!
次は、「適合の仕方」の2つ目、「ストレッチ戦略」について、述べたいと思います。
(別名、「過度拡張戦略(オーバーエクステンション戦略)」とも言います。)
「適合」の仕方ですが、適合の対象に対して、整合性がとれすぎていると、大きな成果は得
られません(「戦略の本質」にて、既述しました)。
大きな成果を目指す場合は、現状と戦略目標との間に、意図的に大きな「ギャップ」を作ら
なければなりません。
「ギャップ」が大きいと、発想を新たにして、知恵を絞りだし、チャレンジし続けなければ
ならないからです。
とくに、組織が、現状維持レベルに甘んじ、停滞気味であるような場合(例えば、「大企業
病」に陥っている場合)には、「敢えてバランスを崩し、不均衡を発生させる」、といった
戦略は、非常に有効と思われます。
米国のGE社では、「ストレッチ戦略」で大いに成功していることで、有名です。
ただ、「ストレッチ戦略」を採用する場合は、リスクが伴いますので、強力なリーダーシッ
プのもと、以下のように、対象を絞り、実行することが大切です。
基本的には、「製品」、「ビジネスシステム(事業連鎖)」、「見えざる資産」の3点に絞
ることが望ましいでしょう。
これらの場合は、不均衡は、組織内で発生するので、組織として責任をもって、ある程度の
リスクは、コントロールできるからです。
以下、3点につき、簡単にご説明いたします。
❶「製品」の場合:現在供給されている製品とは、(機能や用途が)大きくかけはなれた製
品を提供することによって、既存の製品との間に大きな不均衡を起こします。「新たな市
場」の創造が可能となります。
❷「ビジネスシステム」の場合:市場に供給される製品そのものには、大きな変化はありま
せん。その製品を顧客に届けるまでの「ビジネスシステム」として、それまでの市場の常識
的な「ビジネスシステム」から、大きく外れるようなものを、市場に導入することです。
ユニクロの「製造小売業(SPA)」、キーエンスの「富山の薬売り」などの事例がありま
す。大いに差別化された「ビジネスモデル」が、可能となります。
❸「見えざる資産」の場合
組織の戦略は、「見えざる資産(情報や技術)」に、常にピッタリ合っていてはなりませ
ん。目標レベルの高い、「過度で厳しい戦略」をとることが必要です。
苦しい競争を「敢えて選択する」ことが、「長期的には、最適」であることがよくありま
す。効果として、組織に「創造的な緊張感」が生まれますし、「実践を通じた学習効果
(Learning by doing)」が得られます。
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