投稿

9月, 2020の投稿を表示しています

26)理念経営の本質-その3:創造性にあふれたカルチャーをつくる

 皆さん、こんにちは! 朝は結構涼しくなりました。お互い風邪には注意しましょう! 理念経営の重点テーマを取り上げています。3本の柱がありまして、今日は2本目の柱です。 「創造性にあふれたカルチャーをつくる」です。1本目の柱が、「理念ベース(人間性尊重の哲学)のマネジメント」です。しかし、トップだけが理解・納得していても、会社組織は、全員が受け身で、言われたことしかやらないようでは、会社としての成果はあまり出ません。 理念経営では、共有化する理想(あるべき姿)にむけ、自律的に、社員自らがリーダーシップを発揮して、課題解決に向け、創造的な活動をして知恵を出し、成果を出していくことが大切と考えています。 やはり、経営トップは、熱く「理想の姿」を語り続けることが不可欠です。理念浸透には種々のやり方はありますが、根本的には、トップのこういった姿勢が最重要です。 日々の仕事は、トップと仲間、組織の仲間、チームの仲間との間で、相互のコミュニケーションを通じ、情報交換しながら、日々、課題解決に向け活動しています。やがて共感しあう仲間となり、いわゆる「場」ができてきます。 「場」とは相互に情報交換し合う、コミュニケーションの場を言います。こういった「場」は、会社組織のいたるところで芽生え成長していきます。これらは、個性ある活動をしていても、トップの発信し続ける「理想の姿への熱い思い」で、やがてつながってくるものと思われます。 「人間とは共感するものである」、とも言われています。共感とは「愛」である、と表現されることもあります。共感はまた、「利他」の思いも醸成するようです。 トップと社員、社員どうしの間で共感を通じて、目には見えませんが、やがてそれが会社全体としてまとまり、それがいわゆる「カルチャー」になると私は考えています。 私の描く、理念経営の「あるべき姿」では、「創造性あふれたカルチャーをつくる」ことを目指しています。そうして(カルチャーが醸成されて)初めて、従業員は、マイクロマネジメントされなくても、自律的に働き、仲間どうしで思いやり、助け合い、働き甲斐がえられ、顧客も喜び、社会も喜ぶことが可能となります。 理念経営を一言でいいますと、「三方良し」の経営と言えるでしょう「売ってよし(社員)、買って良し(お客様)、世間良し(社会)」です。理念経営の目指す「あるべき姿」の究...

25)理念経営の本質‐その2:矛盾こそが発展のエネルギーの源泉

 みなさん、こんにちは! 台風も東よりにそれ、ここ東海地方はほとんど影響がありませんでした。ほぼ秋晴れでした。 さて、「理念経営の本質」で、「矛盾こそが発展のエネルギーの源泉」と述べましたが、もう少し具体的に補足させていただきたいと思います。 企業組織やとりまく環境の変化はますます激しくなる一方です。絶えず動く現実のなかで、我々、日々の仕事に取り組んでいます。 たとえば、製造業としましょう。商品開発をしますが、競争力を強化するため、いかに付加価値をあげるか、また同時に、コスト低減も重要な要素です。簡単には両立は困難です。これが、解決すべき「矛盾」となります。 ご存知のように、マイケルポーター教授の競争戦略では、付加価値向上(差別化)と、コスト低減(コストリーダーシップ)は、両立は困難とし、どちらかを選択することが推奨されています。 たとえば、大手はコスト低減を、中小は付加価値向上(差別化)が基本となっているようです。これでは、矛盾の解消にはなりませんし、どこの企業でも同じような決定をするため、発展は多くは望めません。 皆さんご存知と思いますが、「ブルーオーシャン戦略」というのがあります。既存市場(レッドオーシャン)の中で、他社がやっていない領域(ブルーオーシャン)で新たなビジネスを展開する考え方です。この「ブルーオーシャン戦略」は、「スマート(付加価値を高める)・リーン(コスト低減)戦略」の1つといわれています。余分な機能やサービスは削り(コスト低減)、必要な機能やサービスはさらに強化したり、追加したりします(高付加価値化)。 このように、単に「案A」か「案B」かと、外から見ているだけではなく、それぞれの案に深く関心をもち、、矛盾する関係性の仲に入り込み、本質を捕らえることで、両方を生かしながら、第3の案を打ち出すことができるのです。これが、「矛盾の解消」です。 単に「案A」と「案B」を外側から、論理的に比較する、という発想だけでは発展は期待できません。「ブルーオーシャン戦略」や「スマートリーン戦略」といったような、柔らかな考え方や発想が求められることにはなります。 以上より、「矛盾こそが発展のエネルギーの源泉」といえるのではないでしょうか?   ここでさらに実行に移る決断を可能にするのが、「企業理念」であり、「人間尊重の哲学」ということになります。 <TO...

24) 理念経営の本質‐その1:決断を支える「人間性尊重の哲学」

 みなさん、こんにちは!彼岸も過ぎ、大分涼しくなりました。 今日は、理念経営の重点テーマ:3本柱の1つ目のご紹介です。第1の柱が、「理念ベース(人間性尊重の哲学)のマネジメント」です。これにはさらに4つの課題がありますが、今回はまとめてご説明したいと思います。 企業のマネジメント(経営)を考える際に、「企業組織」とその周りを取り囲む「環境」を考えます。従って、経営としては、「その組織の環境をマネジメント」すること、「組織内部の人間集団をマネジメント」することが必要となります。 さらに厳密に言えば、「組織と環境それぞれの中での矛盾(コンフリクト)をマネジメント」、「組織と環境間での矛盾をマネジメント」することが必要です。「矛盾のマネジメント」こそが経営の本質といえるでしょう。なぜなら、矛盾こそが発展のエネルギーの源泉になると言われているからです。 以上より、経営の本質は、矛盾のマネジメントであり、中核に決断(意思決定)があると言えます。 決断がなければ、先に進まず、成果はでないからです。また、決断は、経営者にとって大変勇気がいるところですが、それを支えることができるのが、哲学であり企業理念(人間性尊重の哲学)といえると思います。 以上、今回はエキスだけですが、理念経営の3本柱の1つ目のご紹介です。 補)「人間性尊重」とはトヨタでもよくいわれていますが、人間の尊厳を重視するもので、付加価値のない仕事、働き甲斐の持てないような仕事を決してさせないことです。 (以上、『ゼミナール経営学入門」、『経営の知的思考』(共に伊丹敬之著)等を参考) <TOPページへ> https://rickrinen.blogspot.com/